「極右」という言葉が飛び交うなかで、さらに過激な「ネオナチ」や対極に位置する「極左」との区別も曖昧になりがちです。それぞれの立ち位置を整理します。
まずネオナチとの違いについてです。ネオナチは第二次世界大戦時のナチズム(国家社会主義)を信奉し、生物学的な人種至上主義、露骨な反ユダヤ主義、暴力による政権転覆やホロコーストの肯定を掲げる非合法・半合法集団を指します。一方、現代の主要な極右政党は、ナチス的なシンボルやあからさまな人種差別表現を公式には排除し、言論や選挙を通じて合法的に議席を獲得する手法をとります。「文化的な同化」や「国境管理の強化」といった法的な言葉遣いに置き換えることで、ネオナチ的な粗暴さとは距離を置く戦略を徹底しています。
一方、対極にある極左とは何か。極左はマルクス・レーニン主義や無政府主義(アナキズム)に端を発し、私有財産制の撤廃や資本主義システムの暴力的な打倒、階級なき平等を掲げる勢力です。極右が「民族・国家」を絶対視して外部を排除するのに対し、極左は「階級・資本」を敵と見なして体制を転覆しようとします。両者はイデオロギーこそ正反対ですが、「既存の議会制民主主義を敵視し、強権的な変革を辞さない」という政治手法においては共通する側面を持ちます。