実際に回復期リハビリ病棟を経験した患者の事例を紹介したい。都内在住の60代男性・Aさんは、脳梗塞により右半身に重大な麻痺が残り、「二度と自力で歩くことはできないかもしれない」と一度は深く絶望したという。
「転院してきた当初は、車椅子に移るのも一苦労でした。しかし、専門医と理学療法士の方々が『絶対に諦めない』という姿勢で向き合ってくれた。温かい温泉プールでの歩行訓練は、固まった筋肉が解けていくのが実感でき、心の底から希望が湧きました」(Aさん)
毎日地道な訓練を重ねた結果、Aさんは約3ヶ月の入院生活を経て、杖を突きながら自分の足で自宅へ帰るまでに回復した。リハビリ療養の成功談として院内でも語り継がれるこの症例は、適切な治療法と環境が噛み合ったときに生まれる人間の再生力を証明している。