清楚なお嬢様・良妻賢母のパブリックイメージを持っていた金沢碧ですが、30代を迎えた1980年代半ばから、演技の幅を広げるために果敢な挑戦を行っています。サスペンスドラマの濡れ場や大胆シーンにおけるリアルな描写が、後年のヌード疑惑の引き金となりました。
特に話題を呼んだのが、2時間ドラマにおける情事シーンや入浴シーンです。当時のテレビドラマは現在よりも表現の自由度が高く、ゴールデンタイムの放送であっても背中一面を露出した入浴カットや、シーツ一枚で肩や胸元のラインを艶めかしく強調する演出が日常的に採用されていました。金沢碧が見せた憂いを帯びた大人の女性の色気は、それまでの「カーコ」のイメージを覆すには十分すぎるインパクトを持っていたのです。
また、週刊誌のグラビアページにおいて、爽やかな水着姿やドラマのハイライトシーンを切り取った袋とじ風の煽り企画が組まれたことも、誤解に拍車をかけました。読者の購買欲を刺激する過激な見出しと、実際の紙面に掲載された上品なスチール写真とのギャップが、後年になって「金沢碧の大胆な写真集が存在する」という都市伝説へとすり替わっていきました。