「地雷系」という語彙が辿った軌跡は、日本のサブカルチャー史上でも極めて特異な進化を遂げています。2010年代初頭のネット掲示板やSNSにおいて、地雷という言葉は「一見すると魅力的だが、交際したり深く関わったりすると感情の起伏が激しくトラブルに巻き込まれる女性(地雷を踏む)」を指す、明確なネガティブワードでした。
しかし、2010年代後半から2020年前後にかけて、SNS上で「自虐」や「あえて自ら地雷を名乗るアティチュード」が台頭します。他人の都合の良い偶像になることを拒絶し、内に秘めた孤独や心の痛みをブラック主体のゴシック&ガーリーな装いに落とし込むスタイルが確立され、地雷系とは「傷つきやすさと強い自我を併せ持つ独自の美学」を表すポジティブな文化的カテゴリへと再定義されました。
現在では、単なるレッテル貼りではなく、ファッション・メイク・ライフスタイル全般を包括するアイデンティティの1つとして確立されています。