かつて「お笑い第7世代」の旗手としてクリーンかつスマートにブレイクした霜降り明星の粗品。しかし、近年の彼が見せる姿は、従来の優等生像を完全に打ち砕くものだ。
競馬やボートレースに数千万円単位の大金を注ぎ込み、YouTubeで激しい感情を爆発させ、芸能界のタブーに臆せず切り込む。吉本興業の看板芸人でありながら、組織や業界の忖度をものともしないそのスタンスは、従来のクズ芸人の枠組みを大きく拡張した。単なるダメ人間ではなく、圧倒的な才能と実績を盾にした「無敵のトリックスター」として君臨している。
スマートで調和を重んじる芸人が増えた時代だからこそ、粗品のような破壊的エネルギーを持つ異端児への注目度は跳ね上がる。ネットとテレビの境界線を軽々と飛び越え、自らの生き様そのものを劇場化するその姿勢は、新たな時代の芸人像を提示している。