時計の針を2026年3月に戻すと、球界に激震が走った廣岡大志内野手との電撃トレードは、今なおファンの間で語り草となっています。開幕直前という極めて異例のタイミングで発表された田口麗斗の巨人移籍経緯には、水面下での両球団の綿密な思惑が交錯していました。
当時、巨人は右のスラッガー候補の補強を急務としており、ヤクルト側は実績ある左腕投手の獲得を強く望んでいました。この田口麗斗のトレード理由について、当時の担当記者は「先発再転向を模索していた田口と、中継ぎおよび先発両睨みで左腕を求めていたヤクルトの補強ポイントが完璧に合致した」と証言しています。
巨人時代には2年連続で2桁勝利を挙げるなど輝かしい実績を残した一方、首脳陣の起用方針やチーム内競争の中で先発と救援の狭間に揺れ、葛藤を抱えていた時期もありました。しかし、ヤクルト移籍後は高津臣吾監督をはじめとする首脳陣から「ここ一番を任せる」という明確な役割と裁量を与えられたことで、持ち前の負けん気と強心臓が完全に開花したのです。