良介と桃子がコインランドリーや川沿いの倉庫街で繰り広げた丁々発止の会話。それは従来の日本のテレビドラマが守ってきたお行儀の良さを粉砕する革命だった。掛け合いの間合い、視線の逸らし方、ふとした沈黙。台本を軽やかに飛び越える二人の即興性は、ドラマという枠組みを超えて視聴者の心臓を直撃した。
この作品が切り拓いたリアリズムと都会的な空気感こそが、のちに平成を席巻するトレンディドラマの決定的な礎となった。美男美女がスマートに愛を囁き合うのではなく、みっともなく傷つき、意地を張り、それでも誰かを求めずにはいられない。泥臭い本音をスタイリッシュな映像美で包み込む手法は、この二人だからこそ成立した奇跡のバランスだった。