手書き書類において、ノノ点はどこにでも配置してよいわけではありません。日本語表記の歴史において、記号が指し示す対象の方向には厳格なルールが存在します。
最も基本となる縦書き横書きの点々ルールとして、ノノ点は「直前(上)の行・枠にある文字や語句を繰り返す」目的に特化しています。したがって、縦書きの文章では上の語句の真下に配置するのが絶対条件です。1文字分を空け、文字の中心線上にバランスよく「〃」を配置します。
一方、横書きの文書においては注意が必要です。表組み(スプレッドシートや出納帳など)のセル内で「上のセルと同じ」を意味する場合は使用可能ですが、「左のマスと同じ」という意味で横方向に並べて使うのは本来の用法ではありません。左の語句を繰り返したい場合は、ノノ点ではなく「同左(どうさ)」と記載するか、矢印等を用いて視線誘導を行うのが正確な文書作成のセオリーです。
また、手書きの繰り返し符号は直前の単語全体、あるいは文全体を受ける性質を持ちます。「東京都新宿区西新宿」という住所の下に「〃」を1つだけ中央に打った場合、住所全体が繰り返されていると解釈されますが、特定の1文字だけを反復させたい場合には後述する別の符号を使い分けなければなりません。