NSR50の峠カスタム仕様といえば、まず最初に行われたのがCDI交換による最高速リミッターの解除でした。POSH(ポッシュ)やデイトナ製のレーシングCDIを装着し、スプロケットの丁数を最適化することで、原付でありながら実測100km/hオーバーの世界へ容易に到達できたのです。
排気系カスタムにおいては、膨張室形状によってパワー特性が激変する社外チャンバーへの換装が定番でした。低中速域のトルクを確保しつつ高回転までスムーズに吹け上がるBRDやリブラプロ、リップス(Lips)といった名門ブランドのチャンバーは、今なお当時の走り屋にとって憧れの逸品として語り継がれています。
さらにモアパワーを求めるライダーは63cc〜68.8ccへのボアアップキットを組み込みましたが、ここで重要視されたのが冷却対策と腰下の耐久性です。排気量アップに伴い発生する強烈な熱量に対して、大容量ラジエーターへの換装や混合給油化を行わなければ、ピストンの焼き付きやクランクベアリングの破損を招くリスクが常に隣り合わせでした。