入稿データを印刷した後に「スマートフォンで何度かざしても反応しない」という事態は、看板や数万枚のチラシ印刷では致命的な損害につながります。現場で頻発する主な原因と防止策は以下の通りです。
① CMYK 4色の掛け合わせ(リッチブラック)による版ズレ
Web用のRGBデータをそのまま配置したり、Illustrator上で黒を「C60 M40 Y40 K100」などのリッチブラックに設定していると、オフセット印刷時のわずかな版ズレによってコードの境界に色のにじみが生じます。印刷用データでは、QRコードの着色を必ず「K100%(単色)」に設定してください。
② 白黒反転(ネガ反転)デザインの落とし穴
背景を黒や濃色にし、コード自体を白抜きにする「白黒反転」は、デザイン性が高く見えますがJIS規格およびQRコードの仕様上、一部の標準カメラスマホやバーコードリーダーで読み取り不可になる確率が跳ね上がります。コード部分は「明色(白など)の背景」に「暗色(K100%など)のセル」を配置するのが鉄則です。
③ クワイエットゾーン(周囲の余白)の浸食
QRコードの周囲には、セルの幅(最小モジュール幅)の4倍以上の余白(マージン)を確保する規格上のルールがあります。枠線や文字、写真などをコードのすぐ横に配置してしまうと、スキャナーがコードの開始位置と終了位置を検出できなくなります。