事件は刑事・民事の双方で法廷闘争へと発展しました。異例となった滋賀県警による中学校および教育委員会への家宅捜索を経て、遺族は加害生徒3人とその保護者、そして大津市を相手取り損害賠償請求訴訟を提起しました。
民事裁判において、大津市側は早期に過失を認めて遺族と和解(和解金約2,800万円の支払いおよび謝罪)を成立させましたが、加害生徒側との裁判は最高裁判所まで争われました。2020年の大阪高裁判決およびその後の上告棄却により、加害生徒2名に対して総額約3,750万円の賠償命令が確定。いじめと自殺との間の法的な因果関係が最高裁の確定判決として認められた極めて重要な判例となりました。
一方、焦点となった教師の責任と処分については、世論の処罰感情と法的な行政処分との間に大きな隔たりが残りました。滋賀県教育委員会が下した処分は以下の通りです。
- 当時の担任教諭:文書訓告(懲戒処分ではなく指導上の措置)
- 当時の校長:減給10分の1(1か月)
- 当時の教頭:文書訓告
公立学校の教員個人に対して民事上の直接の賠償責任を問うことは、国家賠償法の規定上困難であるため、担任個人への金銭賠償や免職といった重い法的ペナルティは科されませんでした。この行政処分の軽さは当時、全国的な批判を呼びました。