カカオ豆の選定から焙煎、成型までを一貫して手掛ける「Bean to Bar プロジェクト」が、岡山市東区を拠点に本格始動している。大量生産のチョコレートとは根本的に異なる。一粒ごとに異なる産地のテロワール、発酵による微細な果実香をダイレクトに味わうスタイルが、本物志向の消費者の心を捉えて離さない。
工房内に足を踏み入れると、厳密な温度と湿度の管理下で石臼が静かに回り続けていた。数パーセントの水分量の違いが、舌の上でほどける瞬間の滑らかさを決定づける。職人の妥協なき眼差しが、最高峰のひと粒を生み出す原動力だ。