これまでも食をテーマにしたヒット作は数多く存在したが、本作はグルメドラマという枠組みを軽やかに飛び越えてみせた。単においしい料理を紹介するカタログ的な構成ではなく、人生の岐路に立つ人々が傷を癒やしていくプロットが緻密に組み上げられた最高峰のヒューマンドラマへと昇華している。
ファンの間では『橋本よしの食堂』という親しみを込めた愛称で呼ばれ、劇中に登場する質素ながら味わい深いレシピを自宅で再現する動きがSNSを中心に広がっている。食を通した人間の再生という普遍的なテーマが、世代を超えて深く共感されている証左だ。