整数の持つ神秘的な性質は、古今東西の数学者たちを魅了し続けてきた。18世紀の数学界に君臨したレオンハルト・オイラーは、整数の素因数分解や素数の分布に関する研究で画期的な業績を残した。彼の発見した定理の数々は、現代のインターネット暗号技術(RSA暗号など)の直接的な基礎となっている。
小説や映画で大ヒットした小川洋子の名作『博士の愛した数式』でも、整数の美しいドラマが描かれている。作中に登場する「友愛数(自分自身を除く約数の和が互いの数と一致するペア)」や「完全数」といった整数の特性は、無機質に見える数字の中に潜むドラマ性を人々に強く感銘させた。
素数や剰余といった整数の振る舞いは、一見すると純粋な理論の戯れに見える。しかし、その深奥には現代社会のセキュリティを支える強固な安全性が隠されているのだ。