アブに皮膚を噛み切られると、傷口から血液凝固を阻害する成分を含んだ唾液が注入されます。これにより、以下のような二段階の生体反応が引き起こされます。
噛まれた直後には物理的な咬傷による強い痛みと点状出血が現れます。その後、唾液成分に対するアレルギー反応(即時型および遅延型過敏症)が発生し、数時間から翌日にかけて患部周辺が赤く大きく腫れ上がり、耐え難い痒みや熱感が数日〜1週間以上にわたって続きます。
注意すべきは、個人の体質や過去の咬傷歴によって引き起こされるアレルギー反応の重症化です。一度に複数箇所を噛まれたり、抗体が過剰に作られている場合、患部がパンパンに腫れ上がって歩行困難になるケースや、極めて稀ではあるものの全身の蕁麻疹・呼吸困難・血圧低下を伴うアナフィラキシーショックを引き起こす危険性も否定できません。