『ちびまる子ちゃん』といえば、親友のたまちゃん(穂波たまえ)や、はまじ(浜崎憲孝)、ブー太郎(富田太郎)など、さくらももこ氏の実際の同級生をモデルにしたキャラクターが多数登場することで有名です。そのため、インターネット上や知恵袋などでは長年「野口さんにも静岡県清水市に実在したモデル同級生がいるのではないか」という噂が根強く語られてきました。
しかし、さくらももこ氏が残した生前のエッセイや公式ファンブックなどの記録を精査すると、野口さんは実在の同級生ではなく、完全なフィクションとして創作されたオリジナルキャラクターであることが明かされています。アニメ第2期がスタートするにあたり、日常のほのぼのとした空気にシュールなスパイスを加えるべく生み出された存在だったのです。
それにもかかわらず実在モデルの噂が絶えなかった理由は、彼女のキャラクター造形があまりにも生々しく、誰の少年少女時代にも一人はいそうな「隅っこで本を読んでいる物静かな女子」の解像度を極限まで高めていたからに他なりません。虚構でありながら実在の人物以上にリアルな質感を伴っていた点こそ、さくら氏の卓越した人間観察眼の証明といえます。