近くに自然の高台が存在しない平野部や沿岸の都市部において、緊急避難先として重要な役割を担うのが津波避難ビルだ。鉄筋コンクリート構造を持つ指定建造物や専用タワーは、水平避難が間に合わない事態における「垂直避難」の要となる。
だが、単に指定箇所を知っているだけでは不十分だ。夜間や休日における開錠システムの実効性、パニック時の階段の混雑率など、実際の災害発生時を想定した検証が重ねられている。個人レベルでも、平時のうちに複数の避難ルートを自分の足で歩き、倒壊危険物や狭隘道路などの障害箇所を洗い出しておくことが求められる。
避難経路の策定にあたっては、メインルートが途絶した場合の代替迂回路を必ず設定しておくこと。複数の選択肢を手元に持つことが、パニックを回避し生存への道を拓く。