近年のエンターテインメント界における最大のトピックといえば、舞台『千と千尋の神隠し』の爆発的な世界展開だろう。ロンドン・コリセウムをはじめとする世界のメガシアターで観客を息をのませたのが、アクロバットとパペットワークを融合させたハクの「白龍」の表現だ。
アニメーション特有のしなやかで神聖な龍の動きを、生身のダンサーと精巧なパペットが見事な呼吸で立体化してみせた。龍の形態から人間に戻る瞬間の儚さ、そして滑空する躍動感。スクリーンを超えて生の劇場空間に立ち現れるハクの姿は、彼が背負う呪縛の重みと、そこからの解放の美しさを、より生々しく観客の肌に刻み込んだ。