事件が起きたのは平日の午後3時半過ぎ。黄色い帽子をかぶった男児は、友人たちと手を振って別れた直後、通学路のクランクを曲がったところで消息を絶った。防犯カメラの死角はわずか120メートル。この短い区間を通過するのに通常なら2分もかからない。だが、少年はその2分の間に闇へと吸い込まれた。
地域住民による捜索活動は夜を徹して行われた。ボランティアや消防団が川沿いや雑木林を照らし出すが、手がかりとなるランドセルや靴すら見つからない。全国で年間数千件にのぼる行方不明児童の事案のなかでも、白昼の住宅街で痕跡が完全に断たれるケースは異例だ。
発生から数時間が経過した深夜、大手メディアの社会・事件速報が第一報を打つと、事態の深刻さは一気に全国区へと拡大した。