なぜユニクロでは広く定着している裾上げサービスが、しまむらでは提供されていないのでしょうか。その背景には、両社の経営戦略と店舗オペレーションの根本的な違いが存在します。
ユニクロをはじめとする製造小売業(SPA)は、定番アイテムを大量生産して長期販売するモデルを採用しており、主要店舗に専任スタッフとミシンを常備して店舗サービスとして内製化しています。対してしまむらは、多品種少量仕入れを軸に、徹底したローコストオペレーションで販売価格を極限まで抑える仕組みを構築してきました。
店舗スタッフの作業工程をレジ打ちや品出し、陳列整理に特化させることで人件費を圧縮し、1,000円〜2,000円台という驚異的な価格帯を維持しています。もし店舗ごとにミシンを導入し、採寸や縫製技術を持つスタッフを常時育成・配置すれば、現在の販売価格を維持することは困難になります。「裾上げをやらないこと」こそが、消費者が享受している安さの源泉なのです。