日本の妖怪・怪異の歴史において、七人ミサキほど理不尽かつ絶対的な死をもたらす存在は他に類を見ません。姿かたちは目鼻口のない影のような人影、あるいは僧侶や武者の列など地域によって差異がありますが、共通しているのは「常に7人一組で行動している」という点です。
最も恐れられているのが、その成仏の仕組みです。七人ミサキは自力で現世の執着を断ち切ることができません。成仏を果たす唯一の方法は、生きた人間に遭遇して命を奪い、自らの列の末尾に引き入れることです。
新たな犠牲者が加わって8人になると、先頭にいた最も古い霊が1人だけ成仏を許され、残された7人が再び次の獲物を求めて彷徨います。呪いの総数が決して増減せず、「1人死ぬことで1人が救われる」という永久機関のような連鎖こそが、七人ミサキの正体にして最大の恐怖です。