館内最大の目玉であり、訪問者の滞在満足度を決定づけているのが、地下1階に広がる「維新体感ホール」です。ここでは、光・音・動く等身大リアルロボット(マルチスクリーン連動型アンドロイド)を駆使した2本のオリジナル歴史ドラマが定時上映されています。
第1のドラマ「維新への道」(上映時間約25分)では、黒船来航から薩英戦争、薩長同盟、大政奉還を経て明治維新に至る政治的転換点が、躍動感あふれる舞台演出で展開されます。特筆すべきは、西郷隆盛や大久保利通の等身大ロボットが壇上に現れ、表情の機微や身振りを交えて語りかける臨場感です。観覧席の前でダイナミックに展開する舞台装置は、大河ドラマのクライマックスを生で目撃しているかのような緊張感をもたらします。
第2のドラマ「薩摩維新伝」(上映時間約20分)では、薩摩藩が西洋列強の脅威に立ち向かうべく挑んだ近代化政策と、海外留学生(薩摩スチューデント)たちの決死の密航劇に焦点を当てています。当時の藩主・島津斉彬が遺した「集成館事業」の哲学や、若き志士たちが異国の地で抱いた葛藤が胸に迫る内容となっており、2本とも観覧することで明治維新という巨大な変革の全貌が立体的に結びつきます。
また、1階の「テーマ展示室」では、薩摩武士の日常生活や、若者たちの自治組織であった「郷中(ごじゅう)教育」の仕組みが精緻な模型やクイズ形式で解説されています。西郷が着用したとされる軍服のレプリカ試着コーナーや、薩摩言葉のイントネーションを耳で聴く体験型端末など、直感的に楽しめる仕掛けが随所に散りばめられています。