司法判断において、路上ナンパが刑事事件へ発展した事例は枚挙にいとまがありません。近年報じられた実際の検挙事例を振り返ると、加害者側の「悪ふざけ」「ノリ」という言い訳を司法が一切認めていないことが浮き彫りになります。
東京都内の主要ターミナル駅前で発生した事案では、20代の男が帰宅途中の女性に声をかけ、女性が無言で立ち去ろうとしたところ、腕を掴んで制止。「少し話すくらい良いだろう」と引き留めた行為が暴行罪と認定され、近くの交番勤務員により現行犯逮捕されました。男は「手を添えた程度」と弁解しましたが、被害者の明確な拒絶の態度と、身体拘束の意図があった点が決定打となりました。
大阪府下で発生した別の事件では、商業施設内で女性につきまとった男が迷惑防止条例違反で逮捕されています。この男は断られた後も約15分間にわたりフロア内を追尾し、エスカレーターで背後に密着するなどの行為を繰り返していました。女性が警備員に助けを求め、警備員からの通報で駆けつけた警察官が男の身元を確認したところ、過去にも同地域で同様のつきまとい行為により複数回の口頭注意を受けていたことが判明。常習的かつ悪質と判断され、身柄拘束に至りました。
これらの事例に共通する決定的な通報理由は、「被害者が危険を察知して明確な拒絶のサインを出した後に、行動を中止しなかった点」にあります。警察の捜査幹部も「被害者が『やめてください』と意思表示した時点で、その後の追跡や立ちふさがりはすべて条例違反や刑法犯の構成要件に直結する」と明言しています。