SNSやネット上の知恵袋などで頻繁に見られるのが、「南半球に行っても上弦の月は右側が光るのか?」という疑問や、「月が沈む方角は必ず真西なのか?」といった誤解です。
第一の盲点は、観測場所(緯度)による反転現象です。日本などの北半球では「右側が光る半月=上弦の月」という図式が成立しますが、オーストラリアやニュージーランドといった南半球へ渡ると、天球を眺める人間の上下方向が逆転するため、「左側が光る半月」が上弦の月になります。赤道付近では弓弦がほぼ水平に寝た状態で空を渡るため、海外旅行先や海外ニュース映像の月を見て「下弦の月だ」と早合点してしまうケースが後を絶ちません。
第二の盲点は、出没する方角の季節変化です。上弦の月が出る方角・沈む方角は季節によって大きく北寄りや南寄りへシフトします。例えば春の上弦の月は天球上で高い位置を通り、冬の上弦の月は比較的低い軌道を描きます。沈む時間も厳密には「夜の24時ちょうど」ではなく、季節や月の軌道傾斜角によって前後1時間以上のブレが生じる点には留意が必要です。