1997年、彗星のごとく文壇に現れたデビュー作『池袋ウエストゲートパーク』は、当時の若者カルチャーを鮮烈に切り取り大ヒットを記録した。のちにTBSテレビでドラマ化され、宮藤官九郎脚本・長瀬智也主演による熱狂的な社会現象を巻き起こしたことは記憶に新しい。近年でもNetflixなどのグローバルプラットフォームで配信され、世代を超えた新たなファンを獲得し続けている。
この記念すべき代表作が生まれた背景には、執筆に専念できるよう生活環境を整えた妻の陰の功績があった。原稿に向かい続ける過酷な日々のなか、生活の雑事に煩わされることなく創作へ没入できたのは、家庭という安全基地が機能していたからに他ならない。