免許更新の視力検査を巡っては、法令や実務規則に反する間違った都市伝説がインターネット掲示板やSNS上で数多く出回っています。その最たるものが「カラーコンタクトレンズ」の扱いと「検査標の暗記」です。
近年、警察署や運転免許センターでトラブルが急増しているのが、免許更新コンタクトやカラコンの注意点です。現在、警察庁の指導方針により、黒目を大きく見せるサークルレンズや着色されたカラーコンタクトレンズを装着した状態での視力検査および更新写真の撮影は原則として不可(受検不可)とされています。度あり・度なしを問わず、瞳孔の形状変化や虹彩パターンの隠蔽、本人確認の不一致を招くためです。知らずに装着していった場合、現場のトイレで外すよう命じられ、保存液やケースを持参していなかったためにコンタクトを廃棄せざるを得なくなった事例が多発しています。透明な通常の視力補正用コンタクトレンズであれば何の問題もありません。
また、ネット上でまことしやかに語られる「ランドルト環の並びを暗記していけば裸眼でパスできる」という話は、現代の検査機器においては完全に不可能です。現在の適性検査室に設置されている測定器は、筒を覗き込むと内部の液晶画面にランダムでCの向きが表示されるデジタルオートレフ機器が主流であり、手動パネルの時代のように順番を予測することは不可能です。
さらに注意が必要なのが、レーシック手術やICL(眼内コンタクトレンズ)手術、あるいは日頃の視力トレーニングによって視力が大幅に改善したケースです。免許証の表面に「眼鏡等」の条件が付いているドライバーは、視力が回復したからといって勝手に裸眼で運転することはできません。裸眼で運転すると道路交通法違反(免許条件違反:違反点数2点、普通車反則金7,000円)が科されます。
この縛りを合法的に解くのが、免許更新眼鏡等の条件解除手続きです。更新手続きの当日に「眼鏡等の条件を解除したい」と窓口で申し出ることで、裸眼での適性検査が実施されます。そこで両眼0.7以上・片眼0.3以上を記録すれば、その日のうちに裏面に「眼鏡等条件解除」の公印が押され、即座に裸眼運転が解禁されます。更新年ではない場合でも、警察署や免許センターの適性試験係へ出向けば、いつでも無料で限定解除審査を受けることが可能です。