エアコンの購入において最も避けるべき時期、それは7月上旬から8月中旬の真夏です。多くの消費者が「暑くて我慢できないから」「冷えが悪くなったから」という理由で店舗へ殺到しますが、この時期は市場の力学が完全に売り手優位へと傾きます。家電量販店や通販各社は強気の価格設定を維持し、値引き交渉の余地はほぼ消滅します。
大損を招く最大の要因は、本体価格の吊り上がりだけではありません。夏場に深刻化するのが、設置業者への依頼集中に伴うエアコン取付工事待ち期間の長期化です。日本冷凍空調工業会などの業界統計や各流通チェーンの現場報告によると、最盛期の繁忙期には注文から工事完了まで2週間から3週間待ち、地域によっては1カ月近く待たされるケースも珍しくありません。熱中症の危険と隣り合わせの室内で、届かない工事日を待つ精神的・肉体的苦痛は計り知れません。
さらに見落とされがちなのが、6月下旬から7月にかけて投入される「当年夏向け最新モデル」の存在です。発売直後の製品はメーカーのオープン価格が最も高く設定されており、前年の同等機種と比べて機能的な劇的進化が少ないにもかかわらず、実質5万〜8万円ほど割高な価格で店頭に並びます。「高値掴み」をさせられた上に灼熱の部屋で何週間も待たされる——これこそが、真夏にエアコンを買ってはいけない決定的な構造的理由です。