鰻屋のお品書きで最も誤解されやすいのが、うな重の松竹梅の違いや特上と並の違いです。前述の通り、これは「仕入れ値の違う高級な鰻を使っているかどうか」ではなく、純粋な「鰻のグラム数(匹数)」のランク付けです。したがって「一番安い並を頼むとまずい鰻が出てくるのではないか」という心配は無用です。
また、肝吸いとお新香の違いにも食文化的な必然性があります。うな重に肝吸いがセットになるのは、鰻を1尾丸ごと捌いた証拠として新鮮な肝を椀物にした名残です。さらに、添えられるお新香に奈良漬が多い理由は、酒粕に含まれる成分が鰻の豊富な脂分を分解し、消化を助けて口内をさっぱりとリセットさせるという科学的にも理にかなった組み合わせだからです。