ブランケットステッチは、針に糸をかけて引き抜く動作を繰り返すことで、布端に一本の直線と、そこから立ち上がる垂直のステッチを連続して形成していく縫い方です。美しく仕上げるための第一歩は、素材に合った針と糸のセッティングから始まります。
使用する針は、フェルトやウール地を通す場合、布の繊維を無理に断ち切らないよう、やや細身のフランス刺繍針(7号〜8号前後)が扱いやすい設計です。糸については、作品のスケール感に応じて太さを選択します。
運針の基本方向は、右利きの人の場合「左から右」に進めるのが標準です(左利きの人は「右から左」)。基本的な1針の流れは極めてシンプルです。
まず布の裏(または2枚合わせの内側)から表へ針を出し、ステッチ幅(一般的には3mm〜4mm程度)だけ右に進んだ位置の、布端から同等の深さのポイントに表から裏へと針を垂直に刺します。このとき、針先を完全に引き抜く前に、針の下に糸をくぐらせてループを作り、その輪の中に針を通す形で引き抜きます。この一連の動作によって、布のヘリ(端)に糸が乗り、垂直のラインと水平の縁取りが同時に完成します。