日没を迎えると、駅のすぐ北側にそびえる天守閣がドラマチックに照らし出される。「福山城ライトアッププロジェクト」は、街のランドマークを夜の主役に据えることで、訪れる人々の足元を自然と夜の繁華街へと誘導する起爆剤となった。歴史遺産を現代の光で彩るこの試みは、ただ美しい景観を眺めるだけの観光から、夜の街へと繰り出す体験型観光への見事な架け橋となっている。
官民一体の動きも見逃せない。福山観光コンベンション協会や福山商工会議所が中心となって推進する「ナイトタイムエコノミー推進事業」は、単なる店舗の誘致にとどまらず、街全体の回遊性を高める仕掛けを次々と打ち出している。城下町の歴史散策から始まり、駅前のテラス席でクラフトビールを嗜み、そこから伏見町や船町、延広町の路地裏へと流れる。この自然な人の流れが、福山ならではの夜の活気を生み出している。