本作に関してネット上で長年議論されているのが、「結局、タイトルにある『11人目のストライカー』とは誰のことだったのか?」という疑問です。一般には「サッカーチームの11人目の選手」あるいは「コナン自身」を指すと思われがちですが、作品の演出とテーマ性を深く読み解くと、より多層的なメッセージが込められていることが分かります。
物語のクライマックス、スタジアム崩落の危機の中でコナン一人では爆弾解除のキックを打つことができませんでした。元太、光彦、歩美、そして灰原哀が自らの危険を顧みず、泥だらけになりながらコナンへボールをパスで繋ぎました。つまり、この瞬間にフィールドに立っていた「少年探偵団の仲間たち全員」こそが、知史くんの遺志を継ぎスタジアムを救った真のストライカーたちなのです。
誰か一人のヒーローに頼るのではなく、一人ひとりが自分の役割を果たしてボールを前へ進めるサッカー本来の精神が、タイトルの真意として美しく昇華されています。