尾崎健夫と坂口良子さんの出会いは1990年代後半に遡る。トッププロと大女優。華やかな二人の交際は、当時の芸能界でも大きな注目を浴びた。だが、その道のりは決して平坦なものではなかった。
良子さんが前夫との間に抱えていた莫大な負債や、家族間の複雑な事情を前にしても、尾崎は決して逃げ出さなかった。事実婚という形で約15年間にわたり彼女を支え続け、家族を守るための盾となった。まるで一本の上質な人物ドキュメンタリーを見ているかのような献身ぶりは、多くの人々の胸を打った。
そして2012年8月、二人は周囲の温かい祝福を受けながら晴れて正式に婚姻届を提出した。しかし、残酷な運命が二人を襲う。結婚からわずか数カ月後、良子さんの身体を病魔が蝕み、2013年3月に横行結腸がんと肺炎のため57歳の若さでこの世を去ってしまった。婚姻期間はわずか7カ月。それでも尾崎は「結婚して本当によかった」と涙ながらに語り、最期まで妻の手を握りしめ続けた。