はしだのりひこさんは2017年12月2日未明、京都市内の病院で亡くなりました(享年72)。死因は長期にわたるパーキンソン病に伴う病状の悪化でした。報道各社の取材や関係者の証言によると、発症したのは亡くなる約10年前の2000年代後半。当初は手足の震えや動作の緩慢さといった自覚症状から始まり、徐々に歩行困難へと進行していきました。
パーキンソン病は脳内のドーパミン神経細胞が減少し、運動機能に深刻な障害をもたらす難病です。音楽家にとって命ともいえるギターの演奏や発声が思うようにいかなくなる現実は、計り知れない苦痛を伴うものでした。しかし、はしださんは音楽への情熱を失うことなく、リハビリと治療を継続しながら京都の自宅で療養生活を続けました。
ファンの涙を誘ったのが、亡くなる約8か月前の2017年4月、京都で開催された「第35回 京都フォークキャンプコンサート」への出演です。すでに自力歩行は叶わず、車椅子姿での登壇となりましたが、盟友である杉田二郎さんや北山修さんらに囲まれ、マイクに向かって声を振り絞り『風』を歌い上げました。往年の伸びやかなハイトーンボイスとは異なるものの、魂を込めて歌う姿は会場を大きな感動で包み込み、これが生涯最後の公のステージとなりました。