日本国内で確認される過敏性肺炎の約7割を占めるのが、高温多湿な梅雨から初秋にかけて多発する「夏型過敏性肺炎」です。その主たる原因物質は、室内の湿気や結露を好む真菌(カビ)の一種であるトリコスポロンです。木造家屋の日当たりが悪い北側の部屋、浴室や脱衣所の床裏、古いエアコンのフィルター、台所の水回りなどに潜み、目に見えない微細な胞子を室内に飛散させます。
さらに近年、季節を問わず都市部で急増しているのが「鳥関連過敏性肺炎(Bird-related HP)」です。インコや文鳥、ハトなどの飼育歴がない人でも、高級羽毛布団やダウンジャケットの微細な羽毛粉塵を吸い込むことで発症する「羽毛布団肺」が数多く確認されています。購入から年数が経過し、生地の隙間から微粒子が漏れ出している寝具を毎晩使い続けることで、知らず知らずのうちに重篤なアレルギー反応を誘発してしまうのです。
このほかにも、工場の金属加工油から発生するオイルミストや農作業の干し草(農夫肺)、加湿器のタンク清掃を怠ったことで発生する「加湿器肺」など、身の回りのあらゆる微粒子が引き金となり得ます。