赤べこや会津漆器をはじめとする福島の工芸品が、これほどまでに人々を惹きつける背景には、単なるレトロブームにとどまらない「本物の実用美」と「不屈のストーリー」が存在します。大量生産・大量消費の時代を経て、多くの人が「長く大切に使い続けられる本物」を求めるようになりました。福島の職人たちが作り出す道具は、日々の暮らしで使われてこそ輝く堅牢さと、手仕事ならではの温もりを兼ね備えています。
さらに、震災や自然災害からの復興を遂げる中で、伝統の技を守りながらも大胆に現代のライフスタイルへ適応させた職人たちの挑戦が、国内外のバイヤーやクリエイターの心を強く揺さぶっています。伝統的なフォルムを保ちつつ北欧インテリアに馴染むモダンカラーを取り入れた赤べこや、電子レンジ対応の漆器、パリのコレクションを飾る超極細シルクスカーフなど、時代の一歩先を行く柔軟なものづくりが、世界基準の評価へとつながっています。