昼神幸郎はなぜ獣医に?プロ拒否の真相と名言が教える人生の境界線

昼神幸郎はなぜ獣医に?プロ拒否の真相と名言が教える人生の境界線

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心身ともに崩壊寸前だった昼神を救ったのは、後に鴎台高校でチームメイトとなる星海光来(ほしうみ こうらい)の無垢で規格外な言葉でした。

中学時代、体育館の片隅で自傷を続けていた昼神に対し、星海は何の悪気もなく、そして過剰な同情を寄せることもなく、こう言い放ちました。「飯食うこと、寝ること、バレーすること。全部同じくらい大事」「ミスったって、別に死なねえよ」。

命懸けでボールを追いかけ、勝敗に自尊心のすべてを賭けていた昼神にとって、その一言は頭上から雷を落とされたような衝撃でした。バレーボールは人生のすべてではない。ミスをしても命までは取られないし、「嫌なら、いつだって辞めていい」。この気付きが、昼神の心を縛り付けていた強固な呪縛を一瞬で解き放ちました。

「いつでも辞められる」という究極の逃げ道を手に入れたことで、皮肉にも昼神はミスへの恐怖から完全に解放されます。「別に死にはしない」という境地に至った彼は、一切の焦燥感を削ぎ落とした冷徹なブロッカーへと進化し、相手の揺さぶりに微動だにしない「不動の昼神」へと覚醒したのです。鴎台戦で彼が残した「バレーボールはただの部活だ」という境地は、冷笑ではなく、狂気から生還した人間の清々しい宣言でした。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。