『阿修羅のごとく』の醍醐味は、各時代のトップ女優たちが火花を散らす四姉妹のキャスティングにあります。歴代の布陣を見比べるだけでも、日本映像界の贅沢な変遷が見て取れます。
【長女・綱子(華道講師・未亡人)】
・1979年NHKドラマ版:加藤治子
・2003年映画版:大竹しのぶ
・Netflix配信版:宮沢りえ
未亡人としての色香と、不倫相手にすがりつく弱さ・狡さを兼ね備えた長女役。宮沢りえは、艶やかさと同時に年齢を重ねた女性の孤独を繊細なニュアンスで表現しています。
【次女・巻子(主婦)】
・1979年NHKドラマ版:八千草薫
・2003年映画版:黒木瞳
・Netflix配信版:尾野真千子
世間体を気にする常識人でありながら、夫の浮気に神経をすり減らす次女。尾野真千子の持ち味である喜怒哀楽の爆発力と生々しい生活感が、キャラクターに圧倒的なリアリティを与えています。
【三女・滝子(図書館司書)】
・1979年NHKドラマ版:いしだあゆみ
・2003年映画版:深津絵里
・Netflix配信版:蒼井優
潔癖で生真面目、男性への不器用さを抱える三女。蒼井優の研ぎ澄まされた視線と、感情が崩壊した瞬間に見せる色気のギャップは圧巻の仕上がりです。
【四女・咲子(ウェイトレス)】
・1979年NHKドラマ版:風吹ジュン
・2003年映画版:深田恭子
・Netflix配信版:広瀬すず
奔放で天真爛漫に見えながら、最も逞しく現実を生き抜く末っ子。広瀬すずが放つ圧倒的なエネルギーと愛らしさが、重苦しくなりがちな家族の空気を軽快に切り裂きます。