ドライバーの間で最も多くの誤解を生んでいるのが、「一般道で後部座席の人がシートベルトをしていなかったらどうなるのか」という罰則の境界線です。結論から言えば、一般道と高速道路では行政処分の有無が明確に分かれています。
道路交通法施行令の規定により、高速道路(高速自動車国道および自動車専用道路)で後部座席の同乗者がシートベルトを着用していなかった場合、運転者に対して違反点数1点(座席ベルト装着義務違反)が科されます。反則金の設定はありませんが、ゴールド免許を保持しているドライバーであれば、次回の免許更新時にブルー免許(一般運転者講習区分など)へ格下げされる直接的な要因となります。
一方で、後部座席シートベルト一般道の罰則については、現行法上、違反点数の加点も反則金の納付通告もありません。検問や街頭取り締まりの現場に遭遇した場合、警察官から口頭での「指導・警告」を受けるにとどまります。この罰則の差が「一般道なら後部座席は締めなくても法律違反ではない」という致命的な誤認を生む温床となっています。法文上、一般道であっても「着用させなければならない」義務規定(道交法第71条の3第2項)であり、合法と認められているわけではない点を見落としてはなりません。
ここで混同されやすいのが、チャイルドシート着用義務との違いです。道路交通法第71条の3第3項に基づき、6歳未満の幼児を同乗させる場合は幼児用補助装置(チャイルドシート)の使用が義務付けられていますが、こちらは一般道であっても違反点数1点が科されます。大人の後部座席ベルトとは異なり、一般道だからといって指導だけで済むものではありません。