全国の大学生協が新入生向けに提案するパソコンセットは、本体価格が18万円から25万円前後に設定されているケースが主流です。量販店やメーカー公式オンラインストアで同等スペックの機種を探せば、12万〜15万円前後で購入できる製品が多いため、保護者や学生の間で「生協パソコンはなぜこんなに高いのか」という疑問が渦巻くのは当然の帰結といえます。
大手大学関係者や生協組合員の声を総合すると、この価格差は単なる中間マージンではなく、4年間の長期保証、過失故障に対応する動産保険、学内サポートデスクでの即日代替機貸出、そしてプリインストールされた講義用設定サポートの費用が一括で組み込まれている点に起因します。機械のトラブルに一切対処できない新入生や、「多少割高でも学内で手厚く面倒を見てほしい」と願う保護者の安心料として設計されているのが実情です。
しかし、キャンパス内で実施した学生ヒアリング調査では、こうした手厚いパッケージが裏目に出ている実態が浮き彫りになっています。ある私立文系学部の現役3年生は、次のように当時の後悔を吐露しました。
「親に勧められるがまま生協で約22万円の国産頑丈ノートPCを買ってもらいました。でも、実際に学内で使うのはブラウザとOffice、たまの動画視聴くらい。おまけに分厚くてカバンの中でかさばり、カフェで開くのも気恥ずかしい。周囲の友人は14万円台で買ったスマートな薄型PCやMacBookを軽快に使っていて、4年間で一度も故障しなかった自分にとっては、保険代の数万円を完全に無駄にしたと感じました」
一方で、自作PCの知識を持つ学生やデジタルネイティブ層の間では、「生協推奨機を買わない」という選択が年々一般化しています。保証の手厚さは魅力である反面、筐体のデザインや薄さ、軽さ、コストパフォーマンスにおいて市販モデルに劣る場合が多く、自力でトラブル解決ができる学生にとっては過剰投資にしかなりません。