膝のヒアルロン酸注射は効果ない?打ち続けるリスクと最新治療の真相

膝のヒアルロン酸注射は効果ない?打ち続けるリスクと最新治療の真相

膝のヒアルロン酸注射は効果ない?打ち続けるリスクと最新治療の真相について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

診察室で「ヒアルロン酸を打てば軟骨が元通りになる」と信じ込んでいる患者は少なくありません。しかし、これが期待外れを生む最大の原因です。整形外科の関節腔内注射で用いられるヒアルロン酸ナトリウム製剤は、本来体内にある関節液の主成分を補給し、関節の滑りを滑らかにする潤滑油の役割と一時的な抗炎症作用を果たすものに過ぎません。

専門医療機関の臨床データによると、1回の注射で期待できる効果の持続期間はせいぜい1〜2週間程度とされています。注入されたヒアルロン酸は関節腔内に留まり続けるわけではなく、数日で体内に代謝・吸収されていくためです。したがって、軟骨がすり減る根本原因を解決しているわけではないという事実をまず認識する必要があります。

さらに「効果がない」と感じる最大の理由は、変形性膝関節症の重症度(ケルグレン・ローレンス分類:KL分類)との不一致にあります。

  • 初期〜中等度(KL分類グレード1〜2):関節軟骨の摩耗が浅く、関節の隙間が残っている段階。ヒアルロン酸がクッションとして機能し、痛みの軽減や可動域の改善を実感しやすい。
  • 進行期〜末期(KL分類グレード3〜4):軟骨が完全にすり減り、骨同士が直接ぶつかり合っている状態。注入した液剤が緩衝材として働く余地がなく、神経への直接的な刺激を遮断できないため、注射を打っても痛みはほとんど変わりません。

つまり、変形が進行した関節に対してヒアルロン酸注射を行っても、物理的な限界があるため効果を実感できないのは医学的に当然の帰結なのです。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。