フランス印象派の巨匠クロード・モネの連作『睡蓮』を彷彿とさせることから名付けられたモネの池(正式名称:名もなき池)。地元住民の証言や関市農林課の記録によると、もともとは根道神社の参道脇にあった灌漑用の貯水池であり、1999年頃に近隣のフラワーパーク関係者が睡蓮を植え、地域住民が鯉を放ったのが始まりでした。観光地として作為的に造られたのではなく、偶然の重なりによって生まれた景観です。
この池が際立つ透明度を誇る決定的な理由は、高賀山(こうかさん)山麓から湧き出るミネラル豊富な伏流水にあります。湧水は年間を通じて約14℃前後に保たれており、硬度が高く養分が極めて少ない貧栄養水であるため、濁りの原因となる微生物やアオコが発生しません。さらに、初夏のスイレンが開花する6月中旬から7月下旬、そして池の周囲を取り囲むモミジが水面に映り込む11月中旬にかけては、色彩の対比がピークを迎えます。
ただし、現地を訪れるにあたっては光の角度と天候の読みが勝負となります。池の鑑賞において避けるべきは「降雨中および大雨の直後」と「直射日光が真上から突き刺さる正午前後」です。降雨後は山からの砂泥が混入して水が白濁し、晴天の正午は水面の反射が強すぎて水中の様子が見えづらくなります。最も透明感が高く、鯉が宙に浮いているかのような光景に出会えるのは、晴天が2日以上続いた日の午前8時から10時頃です。
根道神社へのアクセスは、東海北陸自動車道「美濃IC」から国道256号を経由して北上すること約35分。公共交通機関を利用する場合は、長良川鉄道の「関駅」から関板取線バスで約1時間となりますが、便数が1日に数本と限られるため、自家用車またはレンタカーの利用が実質的な標準ルートとなります。休日の午前中は第一駐車場が早い時間から満車となるため、混雑のピークを迎える前の早朝到着を計画するのが鉄則です。