当時のグラビア業界は、過激な衣装やポージングによる過当競争が常態化していました。その中にあって、広末涼子のクリエイティブチームが徹底したのは「引き算の美学」でした。
写真家・熊谷貫氏らトップクリエイターによって切り取られた写真は、過剰なライティングや人工的なセットを極力排除し、自然光の下で呼吸する彼女のありのままの表情を重視しました。水着でありながらセクシャリティを前面に出さず、「生命力」や「青春の輝き」を映し出す手法は、当時の出版業界における一大転換点となったのです。
性別を問わず、同世代の女子中高生からも「憧れのアイコン」として絶大な支持を獲得できたのは、この徹底したブランディングと世界観の構築があったからに他なりません。