昭和58(1983)年の国営昭和記念公園開園から間もない昭和期にオープンしたレインボープール。公式発表や関係各所の取材データを精査すると、営業休止から再開見送りに至る経緯には、単一のアクシデントではなく「複合的なインフラ寿命と社会環境の変化」が存在しています。
最大の決定打となったのは、地中に埋設された循環配管や大規模ポンプ、浄化設備の構造的劣化です。1980年代の設計基準で建設された広大な6万3,000㎡のプール設備は、水漏れリスクや機械トラブルが年々増加。これらを現行の耐震・安全衛生基準に適合させ全面改修するためには、数十億円規模の国費・公費投資が必要と試算されました。
さらに追い打ちをかけたのが、近年の建設資材・エネルギー価格の急騰、そして猛暑に伴うレジャー環境の変化です。夏場の気温が連日35度を超える猛暑日が増加したことで、日陰の少ない広大な屋外コンクリートプールは熱中症リスクが急上昇。人件費や水熱費、ライフガード確保の負担が増大する一方で、稼働できる実日数は天候や熱中症警戒アラートによって制限されるという、レジャープール運営における構造的赤字モデルが浮き彫りになりました。