「どんな時計でも100均フィルムを貼れば安心」という認識は誤りです。時計の構造やガラスの材質によっては、フィルムを貼ることでかえって外観や機能を損ねるリスクが存在します。
第一の盲点は、ドーム型風防(曲面プラスチック・カーブサファイア)への貼り付けです。ヴィンテージウォッチやアンティーク調の腕時計に多いドーム状の風防には、一般的な平面用フィルムや硬質なガラスフィルムは物理的に密着せず、外周全体が浮いて剥離します。これらには熱収縮性のある高品質TPU素材か、そもそもフィルムを貼らずに研磨剤(サンエーパール等)で定期メンテを行う運用が適しています。
第二の盲点は、高級腕時計(無反射コーティング風防)への貼り付けリスクです。オメガやブライトリング、グランドセイコーなど、風防の外側に無反射コーティング(ARコーティング)が施されているモデルに100均フィルムを貼ると、剥がす際に接着層の糊がコーティング膜を引っ張り、コーティングが斑状に剥離して数十万円のガラス交換費用が発生する恐れがあります。
「とりあえず100円だから貼っておこう」という判断は、実用時計・日常使いのスマートウォッチに限定すべきです。