高校野球をめぐる議論で常に激しく対立するのが、「伝統と感動」を重んじる層と、「科学と安全」を最優先する層の存在だ。
コールド否定派の主張は根強い。「地方予選を勝ち抜いて聖地にたどり着いた球児たちに、途中で試合を打ち切るような真似は酷だ」「最後まで諦めない姿に人々は心を打たれる」といった感情的な訴えは、昭和・平成を通じた甲子園文化の基盤となってきた。しかし、スポーツ医学の現場からは冷ややかな声もあがる。「すでに勝敗が決した試合で、熱中症や関節障害のリスクを冒してまで投球を続けさせる合理性はどこにもない」という指摘だ。