楽器店やライブハウスのステージに並ぶ姿を一見しただけでは、同じ「弦楽器」に見えるエレキギターとエレキベース。しかし、細部の構造や発音される音域を精査すると、両者は設計思想から根本的に分かれています。
最も直感的にわかる違いは弦の本数の違いです。一般的なギターは6本の弦が張られていますが、ベースは太い4本の弦が基本形となります(近年は表現の幅を広げた5弦ベースや7弦ギターも普及していますが、標準仕様は4本と6本です)。
さらに決定的なのが音域とチューニングの差です。エレキベースは、エレキギターの低い方の4本の弦(6弦〜3弦のE-A-D-G)と全く同じ音階順でチューニングされますが、ベースの音域はギターよりもジャスト1オクターブ低い設計になっています。弦の太さもベースの方が圧倒的に太く、ネック(竿の部分)の長さを示すスケールも、ギターの約24.75〜25.5インチに対してベースは約34インチと、一回り長く重厚に作られています。
演奏面においては、コード演奏と単音ベースラインの違いがプレイスタイルを大きく二分します。ギターは3〜6本の弦を同時に押さえて和音を響かせるコードストロークが基本ですが、ベースは基本的に1音ずつ鳴らす単音弾きで低音のラインを紡ぎます。また、指弾きとピック弾きの特徴にも違いがあり、ギターはピックを使った演奏が中心であるのに対し、ベースはピック弾きに加え、人差し指と中指を交互に使う指弾き(ツーフィンガー奏法)や、親指で弦を叩くスラップ奏法など、多彩なアプローチが求められます。