羽織のたたみ方完全解説!着物との違いとシワを防ぐプロの保管極意

羽織のたたみ方完全解説!着物との違いとシワを防ぐプロの保管極意

羽織のたたみ方完全解説!着物との違いとシワを防ぐプロの保管極意の要点を詳しく解説してご紹介します。

都内の老舗呉服問屋および着物のお手入れを専門とする悉皆屋の職人複数名への聞き取り、さらにオンラインの愛好家コミュニティ(着物SNS、知恵袋の投稿事例など約100件)の実態検証から、初心者が陥りがちな「典型的な失敗談」が浮き彫りになりました。

「ハンガーに吊るしっぱなし」が招く悲劇

現場への相談件数で圧倒的に多いのが、「たたむのが難しい・面倒だからと、洋服用のハンガーや着物ハンガーに何週間も掛けっぱなしにしていた」という事例です。一見シワを防げると思われがちですが、絹(正絹)は重みがあるため、長期間吊るし続けると「身丈が伸びる」「肩山が抜けて衿元が型崩れする」「脇のマチがだらしなく開きっぱなしになる」という深刻な変形を引き起こします。悉皆職人によれば、一度伸びてしまった絹の筋や型崩れの復元には、およそ1万5,000円から3万円前後の専門プレス・仕立て直し費用がかかるケースも珍しくありません。

クリーニング返却後の「ビニール密閉」によるカビ発生

もう一つの頻発トラブルが、ドライクリーニングから戻ってきた状態のまま、梱包用の透明ビニール袋に入れた状態で箪笥に収納してしまう行為です。石油系溶剤の残留ガスや、ビニール内部に結露した湿気が原因となり、わずか数ヶ月で裏地(羽裏)に黄色い斑点状の「黄変(おうへん)」や白カビが繁殖します。回収直後のビニールは速やかに破棄し、最低でも半日は風通しの良い日陰で影干しして溶剤を飛ばした後に「羽織だたみ」を行って収納するのが、衣類を長生きさせる不可欠のプロセスです。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。