平成という30年間で生み出された数多の作品のなかでも、記録的な高視聴率を叩き出し「最高傑作」と称される名作たちには、知られざる現場の熱量と秘蔵の制作裏話が存在する。例えば、型破りな検事の活躍を描いた『HERO』では、主人公・久利生公平が着用していたダウンジャケットが実は木村拓哉の私物から着想を得たスタイリングであり、通販番組を食い入るように見る設定も現場での軽妙なアドリブから生まれたものだった。
また、平成の最終盤に記録的な大ヒットとなった『半沢直樹』においても、あの独特の緊迫感溢れるアップのカメラワークは、役者たちの顔の筋肉の動きや吐息まで捉えきるために特注のレンズとライティングが駆使されていたという。名セリフの数々も、現場での緊迫した駆け引きのなかで研ぎ澄まされた。時代の熱気と制作者たちの狂気とも言えるこだわりが結晶化することで、10年、20年が経過しても色あせない伝説の名作が生まれたのである。