最新の警察庁統計をひもとくと、単純に「外国人犯罪が激増した」と言い切ることはできない。たしかにインバウンドの完全回復と特定技能制度の拡大により、国内に滞在する外国人の絶対数は過去最高を更新し続けている。これに伴い、摘発される件数自体は微増傾向にあるが、外国人人口に対する発生率(犯罪率)で見ると、過去のピーク時(2000年代半ば)と比較して著しく低い水準を維持しているのが実態だ。
具体的には、万引きや自転車盗といった粗暴犯・軽犯罪の割合が一定数を占める一方で、かつて猛威を振るった組織的な侵入窃盗(空き巣や事務所荒らし)はピーク時の数分の一まで減少した。治安当局の徹底した水際対策と防犯カメラネットワークの広がりが、古典的な組織犯罪を抑え込んでいる格好だ。