ただし、日本全国のあらゆる現場で「了解しました」が解禁されたわけではない。業界ごとの温度差は依然として著しい。大手邦銀の法務部門に勤務する40代女性は、「社外の取引先や年配の役員に対して『了解しました』を使う社員がいれば、即座に指導が入る」と明かす。コンプライアンスや信頼性が最優先される金融・法律・不動産といった領域では、従来の言葉遣いが企業ブランドそのものを担保する側面があるためだ。
対照的に、ゲーム開発やEC事業を展開するスタートアップでは、社内ガイドラインから「了解しましたNG」の記述を削除する動きが広がっている。あるIT企業のHR担当者は「言葉遣いの細部で神経をすり減らすよりも、アウトプットの質とスピードで信頼を勝ち取る文化を醸成したい」と語る。どこまでが許容されるかは、企業のフェーズやカルチャーに大きく依存しているのが現状だ。